なぜ人が辞めるのか(3/4)
はじめに
人が辞める本質的な理由
人が辞めることとビジネスへの影響
データで見る退職理由
「人間関係の悪さ」で人は辞める
前述のとおり、人間関係が悪いという理由は25%と4分の1を占めるメジャーな理由です。
人間関係の悪化は大きく以下2つから生じます。
まず、「①悪口をいう」ですが、これはいうまでもなく良くないことであることはご承知のとおりです。
悪口は、どこからかのルートで必ず本人の耳に入ります。
悪口を言われた人が「僕の悪口言ってるんだよな?」なんて、悪口を言っているとされる人に事実確認をすることはあまり起こりませんから、悪口を言われた人は、コミュニケーションを取らないようになってきます。
よって、
次に「②無視する」ですが、何もイジメのような無視だけではありません。
実は知らず知らずのうちに無視していることもあるのです。
例えば、以下のような事項です。
✓ 互いに挨拶をする文化が弱い
✓ 背景・目的を伝えずに手順だけを指示する
前述しましたが、「自分に居場所がないと感じる」ことで退職への道を歩みます。
「おはよう!」
「ありがとう!」
といった挨拶は、「あなたのことを認識しているよ、存在を認めているよ」というメッセージなのです。
幼稚園から教わる基礎的なことですが、このような細かなことから人間関係が悪化していくのです。
また、
指示待ち人間が増えるだけでなく、退職者数も増える要因になります。
「将来が見えない」で人は辞める
「この会社にいても自分の将来が見えない」
これも大きな退職要因です。
これは、人事制度による問題が大きいのです。
あなたの会社には、明確な「キャリアパス(=出世の道筋)」はありますでしょうか?
また、それは「管理職にならない出世パス」がありますでしょうか?
さらに「花形職種でない職種についても出世パス」がありますでしょうか?
「店長のポストが埋まっている。自分は一生末端の平社員だ。」
「マネージャーのポストが埋まっている。自分は店長がキャリアハイだ。」
そう思わせるキャリアパスであれば、たとえキャリアパスがあっても意味がありません。
そこで、「統括店長」「教育マネージャー」など必要のない役職を場当たり的に作る企業もありますが、
それも正しい選択とはいえません。
なぜなら、
場当たり的に役職を増やしても、人件費が高騰化するだけで、会社の収益を圧迫してしまいます。
良いキャリアパスとは、
✓ 管理職になる以外の道筋がある(=販売のスペシャリスト等)
✓ 花形職種以外にも道筋がある
キャリアパスを設計することです。